「皆さんもお気をつけて!」

 「皆さんもお気をつけて!」

 

 

握られた手をそのままに後ろの隊士たちにも笑顔を振りまいた。

 

 

「怪我したら手当てを頼むぜ。完治するまで手厚くな。

ほらさっさと行かねぇとここで斬られちまう。」

 

 

 

永倉はにやにや笑いながら三津の頭を撫で回し,巡察に向かった。

 

 

『原田さんも永倉さんも賑やかで面白い人やなぁ。

流石に屯所の前では敵も斬りかかって来んと思うけど。』

 

 

一体誰に斬られるんだか。

ふふっと笑い目を細めて一行を見送った。

 

 

原田さんは斬っても死なないし,永倉さんは怪我しても気付かないですよ。」

 

 

ぼそりと呟く声がしたと思えば不貞腐れた総司が横に立っていた。

 

 

「びっくりした!」

 

 

総司はむすっと腕を組み次第に小さくなって行く隊士の列を見つめていた。

 

 

『芹沢さんが三津さんに会いたがってるってだけでも気が気じゃないのに。あの二人ときたら。』

 

 

「沖田さん怒ってる?」

 

 

何だか冷たい空気が漂ってる気がして腕をさすりながら総司を見上げた。

 

 

「当たり前じゃないですか!全く油断も隙もない!」

 

 

声を荒げてからはっと口を押さえた。

ゆっくり視線を斜め下に向けると三津が豆鉄砲を食ったような目で自分を見ていた。

 

 

「あのほら!あんな軽々しく手を握るような人に笑顔を向けちゃ駄目です。何をされるか分かりませんから!」

 

 

焦った総司はぽかんとする三津を前に必死に取り繕う。総司は急に怒鳴ったのを謝らねばとあたふたしていると,三津は目元を綻ばした。

 

 

「沖田さんて私のお父さん?」

 

 

功助にもそんな注意を受けた事ないとからから笑った。

 

 

「父上?それは心外ですね。そこまで老けてはいませんからね。私は兄のつもりですが。」

 

 

聞き捨てならんと腕を組み口を尖らす。

 

 

「兄上?沖田さんは兄には見えへんわ。」

 

 

三津も聞き捨てならんと総司の真似をして腕を組み口を尖らせた。

 

 

「取り込み中悪いがちょっと来てもらおうか。」

 

 

二人のにらめっこは土方に割り込まれて呆気なく終了。

 

 

土方は三津の首根っこを掴んで母屋に向かって歩き出した。

 

 

「三津さんは猫じゃありませんよ。」

 

 

これほど土方をお邪魔な人と思った事があったかな。

三津に対してやたらと馴れ馴れしいんじゃないか?と不満に思う。

 

 

「猫みたいに可愛げがあればいいがな。」

 

 

けなされながらも三津は無抵抗のまま連行された。

 

 

連れて来られたのは山南の部屋。

首根を掴まれたままなのを気にしてないのか忘れているのか,山南を見て三津は無邪気に手を振った。

 

 

「へらへらすんな。」

 

 

立場を弁えろと乱暴に小さな頭を押さえつけて山南の正面に座らせた。

 

 

「お前は呼んでねぇぞ。」

 

 

土方は山南の隣にどっかり胡座をかいてちゃっかりついて来たおまけを睨んだ。

 

 

総司はどうぞお構いなくと部屋の隅っこに腰を据えた。

 

 

三津は何故呼ばれたのだろうか見当もつかず首を傾げた。

 

 

「あのぉ私何かしました?」

 

 

考えられるとしたらこの間の嫌がらせの件しかないけど,あれはもう解決している。

 

 

山南はちらりと土方に目をやり,土方は咳払いをしてから口を開いた。

 

 

「今日からてめぇは俺の小姓だ。」

 

 

「小姓?」

 

 

それってどういう事だ?

三津が意味を理解しにかかっている間に総司が土方に詰め寄っていた。

 

 

「待って下さい!何で土方さんの小姓なんです?女中の仕事は?」

 

 

「もちろん今まで通りやってもらう。だが空いた時間は小姓として勤めてもらう。

これはもう決定した事だ。なぁ?山南さん。」

 

 

土方の言葉に山南は黙って頷いた。

それでもまだ状況の読めない三津は何度も目を瞬かせた。

 

 

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「女中の仕事の合間に俺の仕事を手伝えばいいんだ。

ただし!小姓になるからには俺の傍から離れるな。」

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